映画「少女」観てきました!
以下ネタバレだらけです。
つらつら思い出したことを書き殴る。
最初は稲垣吾郎さんと真剣佑が出るし湊かなえ原作作品だから観よう〜♪という軽い気持ちだったけど
想像してた以上に由紀役の本田翼ちゃんと敦子役の山本美月ちゃんの演技が良くて引き込まれた。
少女の純粋さと悪意
屈折したトラウマを抱えた対照的な性格の少女2人の友情
あえて言おう。 これは百合映画だ!!!
本田翼のジト目が表情が中村明日美子先生のキャラみたいだった
そして由紀はライチ☆光クラブのゼラっぽくもあった。光クラブの仲間と出会ってなくて普通に学生生活送ってるゼラ。
由紀 は(暗黒微笑)な雰囲気とか闇や死に拘り自分が世界の全てを知っているかのよう。しかし本物の死や人間や大人の闇が目の前で繰り広げられたら発狂する。
闇の思春期を詰め込んだ感じ。
学校や家庭では自分の世界を創り上げている由紀だが、子供の前では案外普通に笑ったり普通に会話したりもするところが少女といった感じだ。
敦子は最初はか弱いキャラだと思っていたけど、誰よりも芯が強く真っ直ぐで太陽のような良い子だった。
由紀との対比。彼女らは高校生からの友人かと思ったら幼馴染だったんだ。
敦子は由紀のことを守る為に強くなろうと心に決めていた。
だんだん敦子が愛おしく思えてきた。
敦子が足は治ってるけど治ってないふりをした方が色々と都合がいいんですっていうのは由紀に甘えられるらなのかな?
施設のスタッフが他スタッフ陰口を言ってるのを見て自分が過去仲間に言われたトラウマな暴言をフラッシュバックして過呼吸になる敦子。
人が誰かの陰口言ってる場に遭遇した時
特におだてた後に笑いながら陰口叩く人
人間の醜悪さが最も魍魎のように露呈する瞬間を目の当たりにしたようで途轍もなく気分悪くなる。
私も人が笑いながら陰口言ってる姿を見るのが大嫌いだ。
その些細な日常の中の胸糞悪い一瞬がさり気なく上手く切り取られている
死に執着する由紀と絶対人を死なせたくないお思う敦子。そしてとても健気。
敦子が自分から気づけば遠い存在になりどんどん離れていくのを感じて落ち込むいじらしさ。
闇に落ちていきそうになった時お互いが手を差し伸べたから闇に沈むことはなかった。
転校生の子は由紀と敦子のBAD ENDバージョン。手を差し伸べてくれる人がいなかったらああなる。
真剣祐演じる牧瀬は由紀の理解者になり得る存在かと思いきやただ単におもしろがってるネジが飛んでる子だった
由紀にはまだ純粋さが残ってたから真剣祐みたいにはならなかったんだな…
由紀が陰で敦子が陽
由紀の対比が牧瀬
敦子の対比が高雄
由紀と敦子が完全に闇に飲み込まれてたら転校生の紫織となっていた
初めの児島が由紀の小説盗作して入賞したことから由紀の殺意や悪意が広がる訳だけどあそこから全てが繋がってた
これは因果応報がテーマの作品
由紀の「因果応報!地獄行き!!!」の人形劇は鳥居みゆきマイスターの私にとっては格別な何かを感じました。
伏線が序盤から随所に作品全体に散りばめられていてどんどん伏線回収していくのも見ていて気持ちが良かった。
どうやら原作だと吾郎さんが演じる高雄と昴は救われない展開らしいけど映画だと爽やかに纏まってる。
高雄の敦子へ窓越しに語りかけるシーンは凄く吾郎さんの声が優しく心地良かった
敦子は感じていた由紀との心の距離を吐露し
由紀は小説「ヨルの綱渡り」は敦子の為だけに書いたんだよ。と伝え
相思相愛を再確認するハッピーエンド
この後の自転車ラストシーンはまさに青春映画。
高雄さんはどうなったの?!!!と心配になったけど敦子が素早くナースコールボタン押したから助かったんだね
高雄親子が並んで座ってるシーンは穏やかでちゃんと親子に見えた。
構成やラストが上手く纏まってる作品ってなかなか無かったりするからこれは良作だと思います!
青春あるあるを湊かなえ節炸裂の陰鬱な雰囲気と三島有紀子監督の退廃的な映像が心地よくて想像してたより見やすい映画だった。
食わず嫌いな人や興味無かった人も一見の価値あり!